2020年5月14日。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下、温浴業界内外に広く呼びかけ、ZOOMを使ったオンラインサミット「第1回おふろ&サウナサミット5.14」を緊急開催しました。
参加者は191名。新型コロナウイルス問題への対処について情報を共有しました。
ご好評につき第2回を開催した6月11日には、268名のご参加をいただきました。
この2回のイベントを通じて感じたことがあります。
それは、日本全体どころか世界を揺るがすような大きな問題に対して、いち企業やいち個人の努力で対抗するには限界があるということ。
そしてオンラインであれば、多くの企業や人がつながっていける可能性があるということです。
これまでの業界の出来事を振り返りながら考えてみます。
2006年に週刊誌報道に端を発する岩盤浴バッシングが起きました。
事故が起きたり医学的に問題があると証明されたわけではないのに、岩盤浴が不衛生で危険だという風評でした。結果的に、全国2,000店舗近くにまで増えていた岩盤浴専門店はほとんど姿を消すことになりました。個店の努力で逆風を耐え忍び、衛生管理を徹底したところだけが生き残って今日に至ります。今になって考えれば、温浴業界で岩盤浴の衛生管理ガイドラインや設置基準などがしっかり整備されていたら防げた問題でしたし、仮に風評になったとしてもすぐに対処できたのではないかと思えます。
2011年、東日本大震災の際は、地震と津波の被害によって入浴困難となった地域がたくさんありました。報道を見ているうちに温浴に携わる1人として居ても立ってもいられなくなり、現地に行ってドラム缶風呂やテントサウナによる入浴支援活動を行いました。しかし、やれることに力を尽くしたものの、一企業の力でできることがいかにちっぽけであるかを痛感させられました。
そして2020年の新型コロナウイルス。
温浴業界全体として行政と協議することもできず、休業要請への対応や統一的な感染拡大防止ガイドラインなども時間がかかり、多くの施設が休業を余儀なくされ、経営的に大打撃を受けることとなりました。業界全体としてのつながりがあれば、「数」をもって行政と協議することも可能だったかもしれません。
こうした危機は、いつ訪れるか分かりません。危機が訪れた際に、都度個々の施設や事業者がそれぞれの努力で乗り切っていくには限界を感じます。
公衆浴場、その他公衆浴場、宿泊施設、介護施設、スポーツ施設、そしてその取引先…。温浴というテーマに携わるすべての団体や企業、個人にはそれぞれの得意分野や強味があり、業界全体で力を合わせることができれば、大きな力になることが期待されます。
そして、多くの方がコロナ渦で気づかれたかと思いますが、オンラインであれば、日本中・さらには世界中の人と容易につながることができます。
オンラインであれば、多くの方が気軽に参加でき、また会場代などのコストをかけることもなく、情報共有やディスカッションもできる。運営にかかるコストも最低限で賄える。そこで、この温浴事業者ネットワークを設立いたしました。
どうかこの趣旨にご賛同いただき、お力を貸していただければ幸いに存じます。
2020年6月21日
株式会社アクトパス
代表取締役 望月義尚